日々のデザイン仕事でずっと感じていたモヤモヤ。
私は地方の小さな資材卸売業者の会社員として、デザインの仕事をしています。
主に制作するのは、地域の特産品や中小企業の商品パッケージなど。
地域密着デザイナーとして約5年間、70種類以上の商品パッケージを制作してきました。
パッケージデザインは好きだし、地域に貢献できる喜びを感じながら仕事をできています。
でも、ずっとモヤモヤした感覚がありました。
それは、一つの商品のパッケージしかデザインしない ということ。
私にデザインの依頼が来るのは、「パッケージだけ」、もしくはパッケージに貼る「ラベルだけ」。
ラベルのデザインを満足に仕上げたとしても、その商品の表面的な一部分を整えただけ。
商品コンセプトも販売戦略もバラバラです。
何よりモヤモヤしたのは、その会社の商品デザインが全てバラバラになっていること。
私がパッケージデザインをした商品の前後に出た商品は、デザインのイメージも全く違う雰囲気になっています。
これでは、その会社のイメージが作られていくことは難しい。
私の仕事は、本当にお客様のためになっているんだろうか…?
私のデザインは、お客様のブランドイメージを損なう行為なのではないか…?
そういった思いが日々大きくなっていきました。
それでも、「仕事とはそういうものだから仕方ない」と日々過ごしてきてしまったのです。
が、とある一冊の本に出会いました。
モヤモヤが言語化された瞬間
エイトブランディングデザイン代表 西澤 明洋さんの著書
「ブランドをデザインする!」。
西澤さんは「ブランディングデザイン」という言葉を最初に提唱された方で、デザイン業界の縦割り構造に警鐘を鳴らされています。
デザインの分業制によって起こる問題。
経営(マネジメント)、商品(コンテンツ)、デザインの見せ方(コミュニケーション)全てに一貫性があって初めてブランドが育てられること。
そうそう、そういうことだよね!!
モヤモヤが言語化されて、霧がぱぁっと晴れていくような感覚でした。
今まで「そういうものだから」と思考停止していた自分に、激しい後悔と湧き上がる想いがありました。
「私はブランディングがしたい」
西澤さんの本がきっかけで、具体的に「ブランディングデザイナー」を志すようになったのです。