滋賀県湖南市の伝統野菜「弥平とうがらし」を使った一味やミックススパイス、チリソースなどを製造販売されている株式会社fm craic 様のリブランディングに伴走させていただきました。
クライアント | 株式会社 fm craic |
担当 | コンセプト設計サポート、写真撮影ディレクション、ロゴ・パッケージ・リーフレット等のグラフィックデザイン全般、ホームページデザイン、SNS運用 |
協力パートナー | 写真撮影:photo studio EM HPコーディング:ジャパニーズ株式会社 |
事業承継をきっかけにブランドの価値を再定義
滋賀県湖南市の下田地域に伝わる伝統野菜、弥平とうがらし。
その可愛らしいオレンジ色の見た目とは裏腹に、タカノツメの2倍辛い!
でも糖度はスイカ並みに高く、独特の旨味と香りがある、魅力的なとうがらしです。
そんな弥平とうがらしに価値を見出し、商品開発を始めたのがfm craic。
創業者が事業を続けることが難しくなり、新たに 当時地域おこし協力隊だった 釘田和加子さんが事業承継をすることに。
事業者が変われば、商品の価値提供も変わる。
創業者の努力で弥平とうがらしの知名度は底上げされたものの、
一般市民への認知度は高いとは言えず
地域特産品という枠からは出られずにいました。
創業時の農産物6次化の波も落ち着き、
「特産品」というだけではもはや差別化は難しい。
事業者が変わった今だからこそ、
提供できる価値を見直してみよう。
こうして、代表的な商品シリーズである「ぴりり」のリブランディングがスタートしました。
![](https://manadesign.jp/wp-content/uploads/2022/02/piriri2-1024x819.jpg)
地域特産品から一歩抜け出すための、コンセプト設計
とうがらしは一味など定番の調味調に加工されることが多いのですが
fm craic は若い女性の感性を活かした
イタリアン風味、スイートチリソースなど若い層にも手に取りやすい商品開発力が強みです。
また、現状のユーザーの声を聞いてみると
「小さな子どもがいても、ぴりりをかければ我慢せずに自分だけ辛いカレーが食べられる」
といったように、若い女性にとって日常のリフレッシュのような使われ方をしていることがわかりました。
新代表の釘田さんの「疲れている女性に元気を与えたい」という想いも組み込み、
新しいコンセプトを
日常に、ぴりりとしたスパイスを
と設定。
ただ辛さをプラスするだけではなく、
マンネリ化した日常にピリッとしたアクセントを加えて
毎日に彩りを与えてくれる存在
として、価値を再定義しました。
![](https://manadesign.jp/wp-content/uploads/2022/02/15-1024x819.jpg)
ロゴデザインには事業者ならではのエッセンスも入れて
事業を承継した釘田さんはインドに暮らした経験があるほどのインド好きであることから、
新しいロゴにはインドの建築物を思わせるエキゾチックな門扉のシルエットを採用。
ピリッとした刺激で、非日常へ誘う門 をイメージしています。
また、唐辛子について調べる中で
「鳥は辛味を感じない」という性質をうまく活かし、唐辛子は鳥に食べられることでその種を広範囲に広めた
ということがわかりました。
「気づけば鳥のモチーフを選んでしまうほど、なんか鳥が好きなんですよね」
という釘田さん。
そんな偶然も一致し、唐辛子を咥えた鳥をロゴの中に描きました。
![](https://manadesign.jp/wp-content/uploads/2022/02/piriri-01-1024x819.jpg)
「鳥に食べられて種が広まるように、弥平とうがらしの魅力が広く伝わりますように」
そんな願いも込めています。
パッケージ、グラフィック全般をフルリニューアル
リブランディングに伴い、従来のパッケージやホームページ、グラフィック全般をリニューアル。
ターゲットである若い女性に向けた、少しエキゾチックで落ち着いた雰囲気に統一しました。
リニューアル後は、新しい店舗での取り扱いが増えたり、新しい顧客層へ広がりました。
取り扱い店舗は約1.5倍に!
![](https://manadesign.jp/wp-content/uploads/2022/02/piririr10-1024x819.jpg)
新商品の開発も
リブランディングと並行して、新商品の開発も!
![](https://manadesign.jp/wp-content/uploads/2022/11/D-036-1024x683.jpg)
インドで働いていたほど
インド好きな釘田さんだからこそできる
「弥平とうがらしを使ったチキンビリヤニ(インドの炊き込みご飯)キット」は
自宅で手軽にプチトリップ気分が味わえる、と
コロナ禍で海外旅行ができないニーズにもマッチ。
![](https://manadesign.jp/wp-content/uploads/2022/11/ビリヤニレタッチ-1024x683.jpg)
新たなファン層の獲得にも一役買っています。
お客様の声
![](https://manadesign.jp/wp-content/uploads/2021/08/240837342_957521321494651_5075011274052172351_n-1024x776.jpg)
ブランドイメージとロゴやパッケージのデザインが統一され、
自分の表現したい世界観になったので
より愛着が持てるようになりました。
また、視覚のデザイン部分だけではなく
文章で言語化してもらう箇所が多く、
そこがとても助かった!
看板づくり、写真撮影、SNS発信など、
デザインのみではなく事業に伴走してもらえたことは、
一人で事業を運営する中でとても助けられました。
デザインを納品して終わり、ではなく、
困った時に相談できるような
長期的なお付き合いができることは
事業にとっても有効だと思っています。